2008 Fiscal Year Annual Research Report
形状記憶合金を用いた次世代型人工股関節の開発に関する基礎研究
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20700382
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
比嘉 昌 University of Hyogo, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90375197)
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Keywords | 人工股関節 / 形状記憶合金 / 生体材料 / バイオメカニクス / 人間医工学 / 人工臓器 / 生体親和性 |
Research Abstract |
20年度に行つた内容を以下に示す。 1)人工股関節における形状記憶合金の使用形態のアイデアを固めた。具体的にはセメントレスステム限定でステム近位部に用いることとした。ステム全体を形状記憶合金にするアイデアもあったが、加工、熱処理等が不可能と判明したため制作可否を考慮した。 2)3-Dスキャニング装置を用いて股関節の3次元CADモデルを作製した。そして股関節に人工股関節を埋め込んだモデルを作製した。モデルは両骨盤、仙骨、大腿骨である。人工股関節モデルには現在広く臨床で用いられており、良好な臨床成績を示しているモデル(VerSys-FMT, ZIMMER社製)を使用した。 3)作製した(CADモデルを用いてFEMシミュレーションを行った。人工股関節の材料を既存のチタン合金から形状記憶合金に変更した場合に荷重を負荷した際ステムが大腿骨に対してどの程度固定されているかを求めた。その結果、形状記憶合金の形状記憶効果を用いたステムは、従来のチタン合金製ステムと比較して初期安定性に優れていることが示された。これは長期臨床成績向上につながると考えられる。現在長期使用後にインプラントが緩んだモデルにおける解析も続行中である。 当初はカップ、ステム、両方に形状記憶合金を用いることを考えていたが、理論解析の結果、制作の可否をふまえて、ステムのみに用いることとした。また当初の研究計画では、29年度に試作・埋め込みまでを予定していたが、そこまでは至らなかったため、21年度当初より早急に開始する予定である。その原因は、材料である形状記憶合金の入手と適切な熱処理に予想以上の手間を要した事が大きかった。
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