2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20700384
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
若山 俊隆 Saitama Medical University, 保健医療学部, 助教 (90438862)
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Keywords | 光渦 / 偏光渦 / 特異点光学 / 渦スペクトル / ミュラー行列測定 / バイオセンシング |
Research Abstract |
本研究は、偏光と位相の特異点を有した渦スペクトルの生成とこれを応用した光センシング法の確立を目的に研究を進めている。初年度は、渦スペクトルを生成させるために、液晶空間位相変調器を用いた。とくに、偏光状態が循環的に変化するときに生じる幾何学的位相を考慮することで、渦スペクトルの生成に成功した。得られた渦スペクトルは位相特異点に加えて、偏光特異点を有していた。渦スペクトルを偏光分布と位相分布の両方から観察した結果、0次から7次までの渦スペクトルの生成が確認された。液晶空間位相変調器を用いているため、半径方向に異なる渦を同時に生成することにも成功した。渦スペクトルの生成に加えて、光センシングへの応用も行った。上記に示された渦スペクトルの1次と5次の光渦を組み合わせることでトポロジカルセンシングを可能にした。これにより物質の偏光特性を現すミュラー行列をワンショットで測定できることを明らかにした。従来のミュラー行列測定法は機械的および電気的な測定であったため、時系列の偏光変調を必要としていた。つまり、物質が時系列に変化している場合、ミュラー行列を測定することは原理上不可能であった。提案された方法は、従来技術の問題点をブレイクスルーできることから、従来の方法に比べて極めて強力なセンシングツールに成り得る。同時に、生体高分子の挙動を偏光特性から捉えることができる。特に時間分解観察の可能性を持っていることが示された。
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