2008 Fiscal Year Annual Research Report
胸腔鏡下で心膜表面に装着可能な折り畳み式搏動補助装置
Project/Area Number |
20700385
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
福長 一義 Kyorin University, 保健学部, 講師 (30366405)
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Keywords | 補助人工心臓 / 人工臓器 / 心室補助 / 経皮端子 / 心不全 |
Research Abstract |
本研究の目的は、胸骨や心臓を切開することなく、体外から内視鏡的に挿入可能な心臓拍動補助装置の実現可能性を明らかにすることである。自然心の拍出を補助するためのバルーン形状を検討したところ、ラグビーボール形状が特にバルーン収縮時においてフィッティングが良好であることが確認された。構造解析シミュレーションによりバルーン材質の検討を行ったところ、ラテックスのような伸縮性にとんだ材料では十分な補助力を得ることが困難で、フレキシブルでありかつ伸び縮みの少ない材質が最適であることが明らかとなった。これらを踏まえて、ブチルゴム製ラグビーボール状バルーンを用いた拍動補助装置の試作を行った。試作システムは、臨床現場にある陽圧および陰圧発生器から供給される空気圧を利用し、電磁弁の開閉を制御してバルーンを駆動する方式とした。またタッチパネルによって実験中でも容易に制御パラメータ(SD比、遅延時間など)を変更できるようにした。東北大学加齢医学研究所病態計測制御分野山家研究室において成ヤギを用いた急性動物実験を実施した。フィッティングにより、試作バルーンは収縮時おいて胸腔内に占める容積が大きく、さらなる薄肉化が必要であることが判明した。様々な制御条件で血行動態の計測を行ったところ、制御方法が補助力に与える影響に関しては有意な見解を得ることができなかったが、バルーンの装着位置によって補助力に大きな差が出ることが確認された。次年度は装着位置および固定方法についてコンピュータシミュレーションなどを応用して詳細に検討する必要があることが示唆された。 また皮膚貫通部は感染源として最も危険な部位であり、この部位の適当なマネージメント法の検討は本拍動補助システムに必須である。そこで、生体適合性の高いチタンを応用した経皮端子を提案し、構造解析によって皮膚とチタン材との接合部にかかる応力を計算し最適形状の検討を行った。
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Research Products
(3 results)