2009 Fiscal Year Annual Research Report
胸腔鏡下で心膜表面に装着可能な折り畳み式搏動補助装置
Project/Area Number |
20700385
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
福長 一義 Kyorin University, 保健学部, 講師 (30366405)
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Keywords | 補助人工心臓 / 人工臓器 / 心室補助 / 経皮端子 / 心不全 |
Research Abstract |
本研究の目的は、胸骨や心臓を切開することなく、体外から内視鏡的に挿入・装着可能な心臓拍動補助装置の実現可能性を明らかにすることである。昨年度、自然心の拍出を補助するためのバルーン試作し、ヤギを用いたフィッティングを試みたところ、さらなる薄肉化が必要であることが示唆された。そこで本年度は、点滴用の加圧バックに用いられているナイロンを加工して、収縮時の厚みが3mm以下の薄型のバルーンを作成した。次に、吸盤を用いて心臓表面にバルーンを保持する方法を検討するため、豚心臓表面に直径10mmの吸盤を吸着させ引張試験を行った。複数の材料および形状を測定したところ、ニトリルゴム製油用パットが安定した引張強度が得られた。バルーンによる補助面積を30cm^2、圧力を120mmHg(約16kPa)とすると吸盤による保持に必要とされる力はおよそ50Nとなる。引張試験から、吸盤内の到達圧力を,50kPa程度得られれば直径10mm以下の吸盤を複数個組み合わせることによって、バルーンの保持が可能であることが示唆された。そこで、ナイロン製バルーンと直径10mmの吸盤を16個組み合わせて心臓拍動補助装置を試作した。バルーンは、臨床現場にある陽圧および陰圧発生器から供給される空気圧を利用し、電磁弁の開閉の制御によって駆動した。摘出・停止した豚心臓を用いたモック試験において、100mmHg、0.5L/minの駆動性能が得られた。今回の試作システムでは工業用吸盤を応用したため、吸盤と装置を固定するベース部分に金属部品を用いたが、将来専用の吸盤を開発すれば体内挿入部を全てフレキシブルな材料で構成することが可能である。以上の結果から、折りたたんで内視鏡的に挿入可能な心臓拍動補助装置の実現可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)