2009 Fiscal Year Annual Research Report
人工転写調節因子の設計と細胞内センシング及び機能制御基盤技術の開発
Project/Area Number |
20700389
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
三上 あかね National Institute for Materials Science, 生体材料センター, NIMSポスドク研究員 (70469782)
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Keywords | 細胞機能制御 / 細胞センシング / 発現制御 / 分子認識 |
Research Abstract |
本研究では、任意の分子を認識する転写調節因子を設計し、これを用いたユニバーサルな細胞内センシング基盤技術及び細胞機能制御基板技術の開発を目的とする。平成20年度は、多様な標的分子に対応するユニバーサルな遺伝子発現制御技術に用いるための新規転写調節因子(Transcriptional regulator, TR)として基質結合タンパク質(Substrate binding proteins, SBPs)とLacI型転写調節因子(LacI-family transcriptional regulators, LRs)を用いたキメラ蛋白質(SBP-LR chimeric proteins, SLCPs)の構築法及び、in vitro及び動物細胞を用いてTRとしての機能の評価を行い、モデルとして作製したグルコース応答性SLCP(SLCPgl)がin vitro及び動物細胞内においてTRとして機能し、SLCPに基づく遺伝子発現制御が可能であることを示した。 そこで平成21年度は、より高い遺伝子発現制御能を持つSLCPglの開発および、他の分子を標的とする複数のSLCPを作製し開発を行った。 1. 〈TR機能向上を目指したSLCPの改変〉LacIの立体構造及びSLCPの立体構造モデルを指標に、SLCPglに変異を導入した。SLCPgl分子間相互作用領域への変異導入によってSLCPglのDNA結合能が変化し、SLCPのTR機能に影響することが示唆された。 2. 〈SLCPの〉異なる基質特異性を持つ複数のSBPsを用いて、先に開発したSLCPカセットに導入してSLCPsを作製した。大腸菌組換えタンパク質を用いた特性検討の結果、SLCPsはグルコースに対するSLCPと同様に、目的の標的分子に特異的でTRとしての機能を持つことが示唆された。 以上の研究により、SLCPのTR機能向上において重要な知見およびSBPsを用いた基質特異性の異なる複数の転写調節因子の簡便な作製が可能であることが示され、先年に構築されたSLCPを用いた動物細胞内分子のセンシング及び遺伝子発現制御と共に、SLCPに基づくユニバーサル遺伝子発現制御技術の可能性を示した。
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Research Products
(8 results)