2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20700391
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Research Institution | Kanagawa Academy of Science and Technology |
Principal Investigator |
白石 貢一 Kanagawa Academy of Science and Technology, 重点研究室光触媒グループ, 研究員 (40426284)
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Keywords | MRIか造影剤 / 高分子ミセル / MRI / 固形がん / ターゲティング / EPR効果 |
Research Abstract |
本研究の目的は、MRI造影剤を疎水・親水の2層構造を有する「高分子ミセル」の内殻に内包し、画像強調能力を固形がんにおいて発揮させ、微小ながん組織を選択的に強調できる新規MRI造影剤を開発することである。当該年度において、昨年度までにin vitro試験によって得られた結果を基に、in vivo試験とMRI実験を行った。 In vitro動物試験によって固形がんへのMRI造影剤のターゲティングを行うにあたり、作製した高分子ミセルMRI造影剤の血液中における安定性を評価した。高分子ミセルの作製条件を検討することによって、血中循環の安定性を改善することができた。これは、正常組織への余分なターゲティング(肝臓、脾臓)を極力減らし、ターゲットである固形がんへの選択性を高めることに対して重要な条件である。 マウス固形がん(Colon26)に対して、上記血液循環が安定であった高分子ミセルMRI造影剤を用いて行ったとtころ、固形がんへの本MRI造影剤のターゲティングに成功し、MRIのT1強調画像法によって腫瘍の画像強調が投与前に対して、増強されることを確認した。当該研究において行ったin vivo固形がんイメージングは、in vitroにおいて達成された血液-固形がんにおけるMRI造影効果を制御する概念を直接反映するものではないため、ターゲティングの成功とイメージングの増強に関しては完全に一致するとは言えない。今後、固形がんにターゲティングされたMRI造影剤の造影効果がどのように変化していくのかを検討することによって、MRIによってさらに画像が増強されることが期待され、MRIによる画像化の有効性が高まると考えられる。 当該研究における高分子ミセルMRI造影剤は固形がんのイメージングに有効であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)