2008 Fiscal Year Annual Research Report
高効率遺伝子発現機能をインテグレートした血中滞留型超分子遺伝子ベクターの創製
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20700394
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石井 武彦 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 助教 (80415075)
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Keywords | PEG / 遺伝子ベクター / ポリイオンコンブレックス / 疎水性相互作用 / 静電相互作用 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
本研究では全身投与型遺伝子治療の実用に耐えうる非ウィルスベクターを開発するべく、ポリマーの徹底的な造り込みによるPEG化ポリイオンコンプレックス(PIC)型高分子ミセルの血中滞留性向上を目的としている。 平成20年度はPEG/ポリカチオンブロック共重合体の中間セグメントに疎水性基を導入し、DNAとポリカチオンの静電相互作用に疎水性相互作用を付加することによるPEG化PICミセルの安定向上を図った。実際、疎水基として直鎖アルキル基であるヘキシル基(炭素数6、従来は炭素数3)を導入したところ、プラスミドDNAとのPEG化PICコンプレックスは、従来の疎水性基を含まないコンプレックスと比較して特段の細胞毒性増加増大をみせることなく培養細胞への遺伝子導入効率を格段させることが明らかとなった。また申請した研究計画を前倒しする形で実施したin vivo実験による予備的知見ではあるが、この疎水性相互作用により安定化したコンプレックスは、血流中においても従来のコンプレックスに比べて安定であり、がんを移植したマウスに対し治療用遺伝子を投与したところ、はるかに高い制がん活性を与えることも明らかとなりつつある。これらの成果はブロック共重合体中間セグメントのわずかな炭素数の違いからもたらされていることから、非常に興味深い発見であり学術的にも非常に興味深い。これらの成果は独創性の高い発見として国際特許出願準備を進めるとともに、その成果の一部を各学会で口頭、およびポスター発表を行い、また国際学術誌に論文を投稿する準備を進めている。
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