2010 Fiscal Year Annual Research Report
高効率遺伝子発現機能をインテグレートした血中滞留型超分子遺伝子ベクターの創製
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20700394
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石井 武彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (80415075)
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Keywords | PEG / 遺伝子ベクター / ポリイオンコンプレックス / 疎水性相互作用 / 静電相互作用 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
本研究では全身投与型遺伝子治療の実用に耐えうる非ウィルスベクターを開発するべく、ポリマーの徹底的な造り込みによるPEG化ポリイオンコンプレックス(PIC)型高分子ミセルの血中滞留性向上を目的としている。 平成21年度までにPEG/ポリカチオンブロック共重合体に対する疎水基の導入部位を、ポリカチオンの重合停止末端と定め、途中低温では水によく溶け、体温付近で疎水化する性質を持つポリオキサゾリンを候補分子として挙げたが、高分子-高分子カップリング反応のため反応率が低く、最終的に生体中にも存在する安全なコレステロール基を選択した。コレステロール基は低分子の疎水性化合物であるため、ポリカチオン末端における導入率を高めることができ、結果的にpDNAと混合することによって生じるポリイオンコンプレックスは血清存在下においても安定性が高まり、当初懸念された安定性が高まることによる遺伝子発現の低下もみられず、in vitro, in vivo両面でコンプレックスが安定したことに起因する遺伝子導入効率の向上が達成された。コレステロール基の導入にあたっては、縮合反応時に特異な分子内反応によりPBLA主鎖が不安定となって若干の分解が見られたが、現在までのところ、合成法をさらに改善し、分解反応なくコレステロール基を導入できるようになっている。また、ポリプレックスに標的指向性をもたらすリガンド分子の導入方法についても詳細にに検討を行い、合成ルートを確立するまで至った。現在はリガンド効果を実証するべく、in vitro, in vivo両面で検証を実施している最中である。
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Research Products
(8 results)