2008 Fiscal Year Annual Research Report
心血管系組織の傷害部位を標的とした薬物・遺伝子輸送システムの開発
Project/Area Number |
20700396
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊勢 裕彦 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 特任講師 (10324253)
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Keywords | 薬物輸送システム / N-アセチルグルコサミン / レクチン / 糖鎖高分子 |
Research Abstract |
当該年度において、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)を修飾したリポソームが、心筋細胞や血管平滑筋細胞に特異的に取り込まれることを見出し、通常は細胞に取り込まれない親水性の物質をこのリポソームによって細胞内に特異的に取り込ませることに成功した。この成果を利用して、骨髄細胞表面にGlcNAcを修飾ずることにより骨髄細胞を心筋細胞に対して高い相互作用を付加し、細胞輸送システムの開発を試みた。骨髄細胞を利用した再生医療において、移植した骨髄細胞が傷害された組織に生着しにくいことが問題となっている。そこで、本申請課題では骨髄細胞の細胞表面をリポソームの表面を修飾する糖質高分子を用いてGlcNAc修飾を行った。その結果、心筋細胞に対してGlcNAc修飾した骨髄細胞は高い相互作用を示した。また心筋細胞に接着したGlcNAc修飾骨髄細胞は心筋細胞との細胞融合が観察された。このことから、骨髄細胞などさまざまな細胞のGlcNAc修飾が可能になり傷害心筋組織へ細胞をさせることが可能になった。核酸の輸送としてGlcNAc修飾リポソームを利用したところ、NF-κBデコイを血管平滑筋細胞へ取り込ませることができた。これにより炎症性のサイトカインであるIL-1βの産生を抑制することが可能になった。これにより傷害部位に生じる炎症を効率的に抑制できることが期待できる。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Critical role of bone marrow apoptosis-associated speck-like protein, an inflammasome adaptor molecule, in neointimal formation after vascular injury in mice2008
Author(s)
Yajima N, Takahashi M, Morimoto H, Shiba Y, Takahashi Y, Masumoto J, Ise H, Sagara J, Nakayama J, Taniguchi S, Ikeda U.
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Journal Title
Circulation 117
Pages: 3079-3087
Peer Reviewed
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