2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞シート工学による組織構築を支援するためのマイクロ流体
Project/Area Number |
20700398
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
小林 純 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 助教 (20385404)
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Keywords | 光重合 / 可視光 / マスクレス露光措置 / カンファーキノン / フォトリソグラフィー |
Research Abstract |
1. マスクレス露光装置を利用した光造形法によるマイクロ流路の作製:昨年度に引き続き、ハイドロゲル製マイクロ構造体作製および流路デバイス作製の検討を行った。具体的には、可視光反応性を有するカンファーキノン誘導体を利用して、種々ハイドロゲルのマイクロパターニングを行った。特に、4分岐ポリエチレングリコールの末端にカンファーキノン誘導体を共有結合的に導入した材料を中心に検討した。この溶液を基材表面にスピンコートにより塗布し、さらに回転数、溶液の濃度を調節することによりゲルの厚さを制御することができた。既有のマスクレス露光装置を利用したフォトリソグラフィーにより、所望のデザイン通りのハイドロゲルマイクロパターンを作製することができた。ポリエチレングリコールから成るハイドロゲルは、タンパク質の吸着を抑制する効果があるため、基材表面上でのタンパク質および細胞のマイクロパターニングが可能であることが分かった。本研究で開発したハイドロゲル材料およびそのハイドロゲル製マイクロ構造体を用いることにより、マイクロ流路を作製する可能性が示された。 2. ハイドロゲル製マイクロ流路の評価:上記1.の可視光反応性材料に加えて、生体由来材料であるフィブリンを用いたハイドロゲル製マイクロ流路も併せて検討した。既有のマスクレス露光装置を利用したフォトリソグラフィー的手法により、ポリジメチルシロキサン製マイクロ流路の鋳型を作製し、その鋳型の中でフィブリンをゲル化させることにより、フィブリン製ハイドロゲルマイクロ流路を調製した。上記1.の材料と比較すると、フィブリン製ハイドロゲルマイクロ流路が白濁しているため、顕微鏡による流路内部の観察が困難であった。しかし、フィブリンは細胞シートとよく接着することが分かっているので、当初の目的である細胞シートを積層させる基材として有効と考えられる。
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