2008 Fiscal Year Annual Research Report
生体由来スキャフォールドの可逆的改質に基づく組織構築
Project/Area Number |
20700401
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
中西 淳 National Institute for Materials Science, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 独立研究者 (60360608)
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Keywords | 再生医療 / コラーゲン / パターニング / 高分子 / ケージド化合物 / 細胞 |
Research Abstract |
本研究では,生体由来スキャフォールドを可逆的改質する方法を開発しin vitroにおける組識構築を目指している。本年度は, モデル系としてアミノ化ガラス基板を用い, その可逆的な改質の検討を行った。まず,光分解性の2-ニトロベンジル基を介して両末端にそれぞれスクシンイミジルカルボネート基とアルキンを有する化合物(I)を合成した。アミノ化ガラス基板を, Iを含む溶液に終夜浸漬後, ポリエチレングリコールアジドを含む溶液に浸漬することでClick反応によりIを介した表面PEG化を行った。アミノ化基板のIおよびPEGによる修飾は, 接触角測定, 吸光度測定, 原子間力顕微鏡により確認した。つづいて同基板を波長365nmの光で照射することで, ニトロベンジル基を光分解した。同様の表面分析から光分解効率を評価したところ, 8〜9割の分解効率であることが分かった。別途作製したPEG化基板をパターン化照射した上でHeLa細胞を播種したところ, 光非照射領域には細胞は接着せず, 光照射領域に選択的な細胞の接着が見られた。一方, 何も修飾を施していないアミノ化基板上ではHeLa細胞は顕著な細胞接着性を示した。以上の結果から, アミノ化表面を化合物IおよびPEGで修飾することで, 表面を一時的に細胞非接着性にし, つづいて光照射によりPEGを切除することで,細胞接着性へと回復させることができることが分かった。このことは,細胞接着性と言う観点において, 表面を可逆的に改質できたことを意味している。また, 同様の化合物で表面修飾した金ナノ粒子を用いて, 上記光化学反応により, アミンが再生することを細胞応答性から確認した(JACS, 131: 3811 (2009))。
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Research Products
(1 results)