2009 Fiscal Year Annual Research Report
空圧式ゴム製デバイスによる剛性変化型大腸内視鏡の開発
Project/Area Number |
20700408
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
脇元 修一 Okayama University, 異分野融合先端研究コア, 助教 (40452560)
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Keywords | 剛性変化 / ソフトメカニズム / 大腸内視鏡検査 / 空気圧アクチュエータ / ソフトアクチュエータ / 医療デバイス |
Research Abstract |
近年,高齢者数の増加や食生活の変化に伴い,日本における大腸疾患は増加傾向にある.しかしながら,既存の大腸内視鏡は挿入が容易ではなく,患者に強い不快感や痛みが発生するケースがある.本研究は空気圧によって剛性が変化可能なゴム製デバイスを製作し,これを複数,直列に繋げることで新たな内視鏡を開発する.本内視鏡はゴム製であり,さらにその剛性を変化させることが可能であるため高い安全性を実現することが可能である. 昨年度までの研究において剛性変化デバイスのプロトタイプを製作している.この剛性変化デバイスは,シリコーンゴムチューブとスリーブと呼ばれる繊維から構成されており,チューブ内に印加する空気圧を制御することで剛性の変化を実現する.本年度は,剛性変化率を大きくするため,スリーブ材料の変更,スリーブを構成する繊維数の増加を行った.スリーブの材料は高強度のパラ系アラミド繊維に変更しており,デバイスの耐久性を向上させた.繊維数は8本から16本にしており,これによって最大印加圧力の増加を実現し,昨年度のデバイスと比較し最大剛性が約2倍増加した.さらに,これまでの正圧のみによる駆動から負圧も用いた駆動へと制御システムを変更することで剛性変化率を約10倍増加させることに成功した. これらの改良を行った剛性変化デバイスによって内視鏡を構成し模擬経路への挿入実験を行った結果,従来のデバイスを用いた場合と比較し経路壁への負荷を85%軽減させることが可能であった.さらに,大腸モデルを用いた大腸内視鏡挿入非経験者によって挿入実験を実施しており,横行結腸部までの容易な挿入を確認している.
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