2008 Fiscal Year Annual Research Report
維持可能な医療制度のための医療DWHの品質評価手法確立の試み
Project/Area Number |
20700409
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
木村 映善 Ehime University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (20363244)
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Keywords | 診療記録 / 診療行為 / DWH / データマイニング / 品質管理 |
Research Abstract |
診療情報の品質評価には, 自組織内での内省的検討と他組織の診療情報との比較検討による方法がある。今年度は, 医療統計情報プラットフォーム(Clinical Information Statistical Analysis)に提供された大学附属病院の医療情報を活用し, 他組織の診療情報との比較検討による品質評価を試みた。各大学の運用や解釈の差異が少ないと思われる診療行為を評価指標とし, 各大学における診療行為の請求実績を分析した。その結果, 病床数, 来院患者数の規模とは相関しない項目が全体の84%を占める事が判明した。かつ, それぞれの各大学において, 平均値より大きく逸脱している項目が全体の15%前後を占めている事が判明した。このことは, 各大学において, 全体の10%程度の項目を重点的に見直しをすれば, 各大学の指標の品質が大幅に改善する可能性を示唆した。 いわゆる大学間ベンチマークの試みは多数行われているが, ベンチマークに供されたデータの品質について評価した事例は少なく, 今後のベンチマークの品質を上げるための方法論として今後期待が持たれる。 また, 筆頭研究者が在籍する愛媛大学附属病院において, 医療情報システムの更新が始まったため, 現状の医療情報システムのデータベースをバックアップし, 評価を医療情報システム更新後に評価するように研究計画を修正した。データの品質評価に代えて, 医療情報システムの更新に伴う, データ品質の劣化, 損失の可能性について, 論文「電子化された診療記録の移行を巡る法的環境に関する考察」にて考察した。
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