2008 Fiscal Year Annual Research Report
高機能エンドエフェクタと3Dナビゲーションを備えた低侵襲胎児外科支援システム
Project/Area Number |
20700412
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中村 亮一 Chiba University, 大学院・工学研究科, 特任准教授 (30366356)
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Keywords | コンピュータ外科学 / 胎児外科 / 手術ロボット / マニピュレータ / 手術ナビゲーション / 可視化 / 超音波診断 |
Research Abstract |
本研究では安全で高度な内視鏡下胎児手術をサポートするシステムとして、(1)低侵襲性の向上と術具機能の確保を両立させるために、腹腔内で先端部が変形することで内視鏡手術用デバイスとしての機能を持つエンドエフェクタ「変形駆動」機能を持つ新しい手術デバイスと、(2)3次元超音波画像診断装置と手術ナビゲーションを用いて、手術ナビゲーションとしての術野情報・術具位置姿勢提示機能のみならず、子宮内組織と術具との距離(接近度)を術者に提示する「近接覚」提示機能を備えたリアルタイム3D超音波ナビゲーションの開発を行った. 本年度は(1)細径鉗子本体の幅を超えた大きく幅のある開口部を持つ把持監視の変形駆動機構の検討を行い, 概念設計を実施した. また(2)超音波診断装置から専用伝送バスを介して送られたリアルタイム3D超音波画像データをマルチスレッドで処理しリアルタイムに直交三断面画像, 術具先端位置, そして近接覚を提示するシステムの構築を行った. 近接覚提示には, これまでの距離マップ作成法を見直し, 画像ベースにあらかじめ胎内画像ボリューム内に距離マップを作成する方法ではなく, リアルタイム術具先端位置から画像内を操作し近接距離閾値内に閾値を超える画素が存在する場合に警告を発する術具ベースの計算アルゴリズムを実装した. PC(EPSON Endevor, CoreDuo 3GHz, 3GBメモリ)を利用し3D超音波画像(スキャンアングル60deg)を3Hzで取得している状態でナビゲーションシステムを稼働し, 情報アップデート能力を測定した. その結果, ナビゲーション画面は平均200msec以内(通信40msec, レンダリング160msec)で更新可能であり, ほぼ実時間での術具誘導情報提示が可能となった.
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