2008 Fiscal Year Annual Research Report
MR誘導下手術ロボット駆動時の画質劣化を防ぐ力学的エネルギー貯蓄型モータ駆動法
Project/Area Number |
20700413
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 孝司 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 助教 (00468688)
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Keywords | 手術支援 / MRI / 画像誘導下手術 / 超音波モータ / 電磁波ノイズ / 手術ロボット / フライホイール / KERS(kinetic energy recovery system) |
Research Abstract |
変形・移動が容易な脳・肝臓等の軟性臓器の手術の際, 術中MRIと画像誘導下手術支援ロボットを用いることで高精度な手術が可能になる. しかし, ロボットのアクチュエータとMRIの電磁波干渉により画像の劣化が問題となる. そこで本研究ではフライホイールを用いて力学的にエネルギーを貯蓄することでMR撮像中に電磁ノイズレスな動力源とすることを目指す. 本年度は, (1)機構構成の概念設計, (2)機構要素選定, (3)部分試作, (4)評価試験環境の構築, の4点について実施した. (1) 自動車のブレーキ作動時にタイヤの回転エネルギーをフライホイールに貯蓄するKERS(kineti cenergy recovery system)に着目し, 概念設計を行った. 機構簡略化のため動力入力軸を正転のみとし, 出力段に正逆および空転の切り替えるためのラチェット機構を取り付ける. (2) 動力源に超音波モータ(USR60-E3N, 新生工業), 回転計に光ファイバー式のロータリーエンコーダ(雄島試作研究所)を用いる. その他MRガントリ内での使用を前提として非磁性材料を用いた機械部品等を選定した. (3) 上記で選定した部品を用いて実装を行い, 部分的にシステムの試作を行った. (4) MRIは外界からのノイズを断するため電磁シールドルーム内に設置されている. シールド壁を貫通して敷設されるモータ動力線や信号線によりMR室内にノイズ導入することがないようシールド壁への改造を行った. MR画像上でノイズの導入がないことを確認した. 以上, (1)-(4)において本研究の基盤となる部分の構築が完了した. これにより次年度に計画している有用性評価実験を円滑に実施することが可能になる. 平成21年度は機構の詳細な設計・実装を完成するとともに実時間制御系での動作試験を行い本手法の有効性を実証する.
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