2010 Fiscal Year Annual Research Report
行動変容技法を用いた食道がん患者の術前運動指導プログラム開発
Project/Area Number |
20700426
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小野 玲 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (50346243)
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Keywords | 食道がん / 術前 / 運動指導プログラム / 呼吸筋トレーニング |
Research Abstract |
本研究の目的は、食道癌の診断によって食道切除再建術施行予定の患者について、術前より行動変容技法を用いた術前運動指導プログラムを実施することが術後呼吸器合併症予防につながるかを検討することである。対象は、2008年4月から2010年11月の期間に神戸大学医学部附属病院食道胃腸外科にて食道癌と診断され、食道切除再建術を施行予定の患者100名(男性87名、女性13名、平均年齢66±9歳)であった。 対象者を運動プログラム実施できた群(実施群)63名(男性53名、女性10名、平均年齢67±9歳)と実施できなかった群(非実施群)37名(男性34名、女性3名、平均年齢65±8歳)の2群に分けて前向きに追跡した。運動プログラムは、入院期間において呼吸筋トレーニング、胸郭ストレッチ・排痰法の指導、腹式呼吸練習、上下肢筋力トレーニングおよびエルゴメーターを理学療法士指導のもと40分/日、週5回実施した。外来期間中は自主トレーニングとして、呼吸筋トレーニング、胸郭ストレッチ、腹式呼吸練習、積極的な身体活動量確保の指導などを実施し、実施内容および実施回数を日誌に記載してもらい、検査などでの通院時に担当理学療法士が実施状況を確認した。主要アウトカムは術後呼吸器合併症の発症率とした。2群間の比較にはx2検定とロジスティック回帰分析を使用し、交絡要因で調整を行った。術後呼吸器合併症は実施群で4名(6.4%)、非実施群で9名(24.3%)と実施群において有意に術後呼吸器合併症が低下(p=0.01)しており、その関係は交絡要因で調整を行っても同じであった(オッズ比;0.14)。本研究により、食道切除再建術施行予定患者において、術前からの行動変容技法を用いた術前運動指導プログラムにより術後呼吸器合併症が予防できることが示唆された。
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Research Products
(6 results)