Research Abstract |
Matlab等のソフトウェアを使用し,人工的に作成した連発性吃音を含む非流暢発話のサンプルを,非吃音成人(男性25名,女性25名)に聞かせた。実験の条件は2つで,(1)異なるユニット数(0~3ユニット)の連発性吃音と(2)吃音が発症している間(発吃時)の発話速度(倍速,通常,通常の1/2の速度)であった。各実験参加者には,(1)については全ユニット数を聞かせ,(2)についてはそのうちの1つを聞かせた。各サンプルを聞き終えた後,実験参加者には,コンピュータプログラム化されたマグニチュードスケール(1=流暢,100=非流暢)によって各発話サンプルの流暢度を判定させた。この実験を(1)音の繰り返しをするタイプの連発性吃音を含む場合,(2)単語の一部の繰り返しをするタイプの連発性吃音を含む場合,(3)単語を繰り返すタイプの連発性吃音を含む場合に分けて実施した。 本研究の結果,音の繰り返しをするタイプと単語の一部の繰り返しをするタイプの連発性吃音を聞いた場合,聞き手は2ユニット数以上の連発性吃音を含み,かつ発吃時の発話速度が通常の発話サンプルを聞いた時,0~1ユニット数の連発性吃音を含む発話サンプルを聞いた時よりも有意に,その発話サンプルをより非流暢と判定することがわかった。しかし,発吃時の発話速度が倍速,通常の1/2の速度の発話サンプルを聞いた者は,1ユニット数以上の連発性吃音を含むサンプルを聞いた場合,0ユニット数の場合と比較すると,有意により非流暢と判定することが分かった。単語を繰り返すタイプの連発性吃音の場合は,発吃時の発話速度が通常,通常の1/2の速度の発話サンプルを聞いた者は,2ユニット以上の連発性吃音を聞いた場合,有意により非流暢と判定し,発話速度が倍速の発話サンプルを聞いた者は1ユニット以上の連発性吃音を聞いた場合,有意により非流暢と判定した。
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