2008 Fiscal Year Annual Research Report
潜在的自尊心とパーソナリティに関連する神経基盤-fMRIを用いた検討-
Project/Area Number |
20700433
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
宮本 礼子 Tokyo Metropolitan University, 人間健康科学研究科, 助教 (70404944)
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Keywords | 脳・神経 / fMRI / 自己意識 / 自己肯定性 / 認知科学 / コミュニケーション / リハビリテーション |
Research Abstract |
多くの場合自身に関連する情報は、肯定的な価と関連している。これは「自己肯定性」として知られている。この自己肯定性を守るために、ヒトは葛藤状態において他人をネガティブな存在であると認識する傾向がある。そこで本研究では、"潜在的態度"の測定方法として開発されたImplicit Association Test(潜在連合テスト, 1998, Greenwald ; 以下IAT)を用い、自尊心IAT実施時の心的葛藤状態の脳活動とRosenberg顕在的自尊心検査、ならびにパーソナリティ検査のデータを検討し、自尊心レベルやパーソナリティ特性と、葛藤状態における知処理のについて明らかにしたいと考えた. 20は己がIAT藤条件下で心的葛藤状態におかれた際の脳活動を、通常のIAT課題実施時と比較・検討した。 実験ではInquisit2.0(Millisecond Software社製)を用いて自尊心に関連するIAT課題を作成し、公募により集めた健常成人26名(男性14名、女性12名)を対象にfMRIを用いた実験を実施した. その結果、"self-refbrence"に関係する領域とされる背内側前頭前野と、自己関連の葛藤時に警告信号を発するとされる背側前部帯状回に脳活動が認められ、これらの脳活動は正の相関関係を示した(r=0.753、P=0.00)。また、自己のエピソード記憶検索に関連する楔前部や後部帯状回の活動が認められたことは、内的葛藤状況が自己の記憶の照合と関係している可能性を示唆していた。
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Research Products
(9 results)