2008 Fiscal Year Annual Research Report
過敏性腸症候群に対する作業療法の神経心理学的効果検証
Project/Area Number |
20700440
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
小川 豊太 (濱口 豊太) Saitama Prefectural University, 保健医療福祉学部, 准教授 (80296186)
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Keywords | 作業療法 / リハビリテーション / ストレス / 過敏性腸症候群 / 神経科学 / 消化器 / 心身症 / 脳腸相関 |
Research Abstract |
本研究は過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome : IBS)有症状者に対して作業療法を実施し, 心理学的効果, 脳機能を含む生理機能の変化を検討し, 作業療法介入方法を確立することを目的とした. 平成20年度は, IBSに対する作業療法介入法効果を実施した。作業療法介入法は治療時間1回あたり60分間のパッケージとし1)骨格筋ストレッチ(リラクセーション), 2)腰部体操, 3)手工芸, 陶芸等とした. 介入期間は1週間に1回の頻度で全8回とした. 調査対象はIBS有症状者作業療法介入群10名, 非介入群10名, 健常対照群12名とした. 消化器心身症質問紙(IBS質問紙), 心理質問紙, 脳血流量計測, 唾液中クロモグラニンA(CgA)測定を行いストレス反応の調査を実施した.研究参加者全員にインフォームドコンセントを実施し同意を得た. 本研究は埼玉県立大学倫理委員会により研究倫理審査を受け, 承認を得た. IBS群は非IBS群(健常対照群)に比べ, 不安のスコアが有意に高く, 腹部皮膚電気刺激に対する知覚閾値が低かった. 心理ストレスマーカーとして測定したCgAのタンパク補正値はIBS群が非IBS群に比べ有意に高かった. IBS群ではストレッチ中の頭頂葉感覚野において健常群と比較しoxy-Hbが高かった. 骨格筋ストレッチの直後, CgAのタンパク補正値はIBS群では有意に低下した. 2ヶ月間(合計8回)の作業療法介入後, IBS群とIBS対照群との消化器症状ならびに心理検査の結果には有意な改善値は認められなかったが, 症状の緩和傾向が認められた. 腰部体操の運動介入では介入群と非介入群の統計学的に有意な効果を認めなかった.
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