2008 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中患者の麻痺側上肢に対する治療的電気刺激の効果
Project/Area Number |
20700444
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
宮坂 裕之 Fujita Health University, 藤田記念七栗研究所, 助教 (00440686)
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Keywords | 脳卒中 / 麻痺側上肢 / 治療的電気刺激 / 適応時期 / 評価尺度 |
Research Abstract |
随意収縮をトリガーとした電気刺激が行える随意運動介助型電気刺激 (IVES : Integrated Volitional control Electrical Stimulation) を用いて急性期、回復期脳卒中患者の麻痺側上肢機能訓練を行い、介入時期の違いによる治療効果を比較した. リハビリテーション目的で入院した初発脳卒中患者17名であり, 急性期群6名と回復期群11名とし、さらに両群ともIVES群と対照群に分け, IVES訓練を3週間継続し,経時的変化を調査した. 今回のIVESでは, 両群とも三角筋中部線維と手関節背屈筋群に電極を貼付して, 三角筋では机上サンディング, 手関節背屈筋群では握り-離し運動をそれぞれ10分ずつ, 計20分行い, 残りの訓練時間はIVES装着下にて通常訓練を実施した. 統計学的検討では, 治療前後, IVES有無の二元配置分散分析を行い, 急性期, 回復期に分けて検討を行った. 急性期のIVES群と対照群の間に機能改善効果の差はみられなかった. しかし, 回復期では, IVES群のSTEFが平均9.0点から33.2点, 対照群は平均10.5点から14.2点と変化し, IVES群と対照群の間に有意差がみられた(p<0.05). 急性期, 回復期ともIVESによる改善効果を期待できるが, 対照とした患者も急性期では, 急速に回復しており, 回復の速度が減じてくる回復期群では反応性のある指標において効果が捉えられた. 今後, 反応性のよい尺度を作成し, 症例数を増やすとともに研究デザインを整え, 検討する必要がある.
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Research Products
(8 results)