2008 Fiscal Year Annual Research Report
遮光眼鏡の装用効果を調べる新しい評価法に関する研究
Project/Area Number |
20700448
|
Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
川嶋 英嗣 Aichi Shukutoku University, 医療福祉学部, 准教授 (70387827)
|
Keywords | 遮光眼鏡 / グレア / 〓明 / 低コントラスト視力 / マグニチュード推定 |
Research Abstract |
本研究では, まぶしさを有するロービジョン患者に使用される遮光眼鏡について, 装用効果を調べる新しい方法について検討することを目的としている。平成20年度は, 視機能検査で有用とされる低コントラスト視力値と, マグニチュード推定法による主観評価値を取り上げ, 装用時と非装用時でどのような値の変化が起こるかを調べた。まぶしさを起こすグレア光源は屋外のような状況を想定した高輝度のLED光源であり, 遮光眼鏡の分光透過率曲線と類似したカラーフィルターを, 視感透過率の異なる10種類使用した。被験者は視覚正常者8名とした。 実験研究の結果, 低コントラスト視力値と主観評価値は, フィルターを透過する光量が少なくなるほど成績が向上することがわかった。つまり, まぶしさが起こる状況下では, 遮光眼鏡による光量のカットは視機能や主観的な見え方に対しても有効であることが示唆された。しかし, 低コントラスト視力と主観評価で相関分析を行った結果, 相関は低いことがわかった。これは, 遮光眼鏡を装用したとき例え低コントラスト視力値が向上したとしても, 装用によって見やすくなったかどうかを表す主観評価値は必ずしも向上しないことを意味している。臨床現場において, 遮光眼鏡の装用効果を調べる際には, 視機能評価と主観評価の両方が必要であると示唆された。
|