2009 Fiscal Year Annual Research Report
遮光眼鏡の装用効果を調べる新しい評価法に関する研究
Project/Area Number |
20700448
|
Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
川嶋 英嗣 Aichi Shukutoku University, 医療福祉学部, 准教授 (70387827)
|
Keywords | 遮光眼鏡 / グレア / 羞明 / カテゴリカル色知覚 / 色 |
Research Abstract |
本研究では羞明を軽減する視覚補助具である遮光眼鏡について,装用効果を調べる評価法について検討することを目的としている。平成21年度では,遮光眼鏡を装用することで変化する色知覚について検討した。具体的には遮光眼鏡装用時には,非装用時と比べて,カテゴリカル色知覚がどのように変化するかを調べた。遮光眼鏡は分光透過率曲線の異なる東海光学製の5種類を用いて,色覚に障害のない10名を被験者とし,人工太陽灯照明下で80種類のマンセル色票を11の色カテゴリーに分類する作業を行わせた。その結果に基づいて,遮光眼鏡装用条件別にカテゴリカル色知覚の特性を明らかにした。 その結果,非装用時と比較して装用時は,カテゴリカル色知覚の特性が変化しており,分光透過率曲線のカットオフ周波数が大きくなるほど被験者間の一致率は低下した。眼鏡を装用することで同じ色票であっても色が異なって知覚される場合があり,どのような色に見えるかは遮光眼鏡の種類によって変化していた。また,どのカットオフ周波数の遮光眼鏡を装用した場合であっても変化しない色のカテゴリーが存在し,ピンク,青,紫,灰は遮光眼鏡装用による影響が少なかった。 以上の結果より,遮光眼鏡装用による見え方の評価を行う際に,色知覚は重要な指標となることが考えられた。装用時と非装用時の色の見え方の比較を行うことで,装用者がどのような見え方をしているのか調べることができる可能性が示唆された。
|