2008 Fiscal Year Annual Research Report
二重課題法による立位姿勢バランス訓練効果の検証および実施中の脳活動に関する研究
Project/Area Number |
20700451
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
冷水 誠 Kio University, 健康科学部, 助教 (40388905)
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Keywords | リハビリテーション / 脳・神経 / 立位姿勢制御 / 二重課題 |
Research Abstract |
本年度は, 転倒予防の一手段として従来実施されているバランス訓練に, 注意機能の向上効果を含めたバランス訓練効果のエビデンス構築のために, 健常高齢者に対して, 単一バランス訓練と比較して, 二課バランス訓効果のをRCTデザインに基づいて行った。単一バランス訓練ST群では19を対象に下肢力トレーニングおよびバランス訓練を実施し, 二重課題バランス訓練(DT)群ではバランス訓練実施中に視覚的および聴覚的など様々な認知課題を同時に実施した。介入期間は週2回の実施を3ヶ月間とした。評価項目は下肢筋力, バランス能力, 重心動揺, 注意機能, 二重課題遂行能力とした。介入前の群間比較では, ST群とDT群の間に有意な差は認められなかった。3ヶ月間の介入後, 下肢筋力・バランス能力・重心動揺はST群およびDT群ともに有意な差は認められず, 機能維持が可能であった。注意機能に関しては, DT群のみに有意な改善が認められ, 二重課題遂行能力についてもDT群のみ有意な改善を示した。また, 群間比較においても有意な差が認められた。今回の結果から, 健常高齢者に対しての下肢筋力トレーニングを含めたバランス訓練の実施により、姿勢制御能力を含めたバランス能力の維持が可能であることが示された。加えて, 二重課題バランス訓練を実施した群のみに注意機能および二重課題遂行能力の改善が認められた。このことから, 二重課題バランス訓練, 従来のバランス訓練と比較して, より日常生活を反映した様々な認知的課題を遂行しながらの姿勢制御能力を向上させると考えられ, 転倒予防手段として効果的であるということが示唆された。この結果に基づき, 平成21年度は二重課題バランス訓練が脳機能へ及ぼす影響を検証する。
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