2010 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中後うつに対する塩酸パロキセチン投与が長期的なADL、QOLに及ぼす影響
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20700455
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
高橋 真紀 産業医科大学, 医学部, 助教 (10441825)
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Keywords | 脳卒中後うつ / 塩酸パロキセチン / ADL / QOL |
Research Abstract |
塩酸パロキセチンは選択的セロトニン再取込み阻害薬の一つであり、高齢者をはじめとした患者のうつ病治療に広く用いられている.本研究においては脳卒中回復期の脳卒中後うつ患者を対象に前向き比較研究を行い、塩酸パロキセチンもしくはコントロールとしてニセルゴリンを投与し、投与開始から8ヶ月後のうつ、障害、QOLなどを評価、比較し、その効果を調査することを目的としている. 産業医科大学リハビリテーション科および近隣病院の回復期病棟に入院中の脳卒中患者で発症から90日以内、年齢が40~80歳であった75名に対し、SDSとやる気スコアにてスクリーニング検査を行った.SDSで42点以上もしくはやる気スコアで16点以上であった患者22名に対しては精神科医による診察を行い、診察の結果脳卒中後うつと診断されたのは8名であり、そのうち研究参加の同意が得られたのは6名であった. 研究参加者に対し、投薬内容を無作為に割り付けし、塩酸パロキセチンあるいはニセルゴリンを計8週間投与した. 評価は、うつ病の重症度評価としてHamiltonうつ病評価尺度、Hamilton不安評価尺度、Montgomery-Asberg Depression Rating Scaleを治療介入開始前、治療介入開始4週後、8週後に行った,ADLの評価はFunctional Independence Measureを治療介入開始前、治療介入開始8週後および8ヶ月後に行い、IADLの評価はFrenchay Activities Index、QOLの評価はSF-36、Satisfaction in daily lifeを治療介入開始8ヶ月後に実施した.
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