2008 Fiscal Year Annual Research Report
歩行中の機能的電気刺激における適切な刺激調節法の検討
Project/Area Number |
20700466
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
田辺 茂雄 Fujita Health University, 医療科学部, 講師 (50398632)
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Keywords | 機能的電気刺激 / FES / 脳卒中 / 歩行 |
Research Abstract |
脳卒中患者の歩行能力の改善を目的として, トレッドミル歩行中に機能的電気刺激を行う手法が研究されている. この手法は歩行中に麻痺筋に対して電気刺激を行うことで, 歩行に必要な関節運動を生じさせるものである. 滑らかな歩行を実現するためには随意筋収縮と同程度の出力が得られる刺激強度を算出する必要があるが, 現在までに刺激強度と随意筋収縮との関連性は十分に明らかにされていない. 平成20年度においては, まず健常成人の下肢筋において, 電気刺激強度と関節モーメントの関連性, 随意筋収縮量と関節モーメントの関連性を関節角度一定の条件下で明らかにした. これらの結果から, 電気刺激量と随意筋収縮量の関連性を関節角度一定の条件下で明らかにした. 最後に, 電気刺激強度を独立変数, 関節モーメントを従属変数として, 随意筋収縮量を独立変数, 関節モーメントを従属変数としてそれぞれ回帰式を算出し, この二式から, 関節モーメントを媒介変数として電気刺激量と随意筋収縮量の関運を検討した. その結果, 過去の刺激強度調節とは異なる電気刺激パターンが算出された. トレッドミル歩行中の機能的電気刺激については, 健常者が歩行した際に筋収縮が認められる相において、一定の強度で刺激を行う方法が一般的であるが. この方法では筋収縮が認められる相の全域で強い刺激を行うため, 通常の滑らかな歩行が得られない. 本研究で得られた式を用いて適切な刺激を行うことにより, 脳卒中患者の機能的電気刺激を用いたトレッドミル歩行訓練はより滑らかなものとなり, 高い治療効果が期待できる.
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