2008 Fiscal Year Annual Research Report
音源として圧電発音体を用いた人工喉頭の頸部生体信号による制御と音源の最適化
Project/Area Number |
20700467
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
大惠 克俊 Ritsumeikan University, 理工学部, 講師 (80388123)
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Keywords | 人工喉頭 / 圧電振動体 / 圧電セラミックス / 圧電高分子 / 筋電位 / 喉頭原音 |
Research Abstract |
本年度の研究において,以下の成果が得られた。1. 複数の頚部筋から筋電位信号を検出し, それらの組合せからの「音声発生時にのみ」生じる信号の抽出。2. 単一の筋電位(胸骨舌骨筋)を用いた制御用信号生成と音源制御。3. 低音発生に適した新形状音源の作製。4. 制御用信号を用いたスピーチバルブの制御。 1. に関しては, 胸骨舌骨筋, 胸鎖乳突筋, 輪状甲状筋を対象として筋電位信号を, 首の上下, 左右運動や発声時に測定し, それぞれの動作と筋電位信号との関係を調べた。その結果, 首の上下運動からはいずれの筋電信号も得ることができず, 左右運動時には胸骨舌骨筋と胸鎖乳突筋から, 発声時には輪状甲状筋, 胸骨舌骨筋からの筋電位の発生が確認された。このことから, 胸骨舌骨筋と胸鎖乳突筋の筋電位をモニタリングすることで, 発声時にのみ必要な信号を分離することが可能であると考えられる。 2. に関しては, 胸骨舌骨筋の筋電位から求めたRMS値を用いてピッチ周波数を, 筋電位を全波整流した後に任意の時刻以前の一定区間の移動平均を求めたものを用いてオン/オフを制御する信号を得た。この信号を用いて, PC上のスピーカのピッチ周波数とオン/オフ制御を行った。 3. に関しては, シミュレーションを用いて新形状の設計を行い, 試作と評価を行った。その結果, 共振周波数の低下は確認されたが, 発生音の大きさに課題を残した。 4. に関しては, 2. で求めたオン/オフ制御用信号を用い, 試作したスピーチバルブの制御を行った。従来のスピーチバルブはワンウェイバルブを用いており, 開放時においても気流抵抗となり使用者にストレスを与えるものであるが, 試作したものは開閉を電磁スライダにより行い, 開放時に気流抵抗となることが少ないという利点を持つ。実際の制御実験において, 筋電位により任意に開閉を行うことが可能であった。 2. と4. の成果は国内会議にて1件ずつの口頭発表を行った。
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Research Products
(2 results)