2009 Fiscal Year Annual Research Report
音源として圧電発音体を用いた人工喉頭の頸部生体信号による制御と音源の最適化
Project/Area Number |
20700467
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
大惠 克俊 Nagoya University, 工学研究科, COE特任講師 (80388123)
|
Keywords | 人工喉頭 / 筋電位信号 / スピーチバルブ / 胸骨舌骨筋 / オンオフ制御 |
Research Abstract |
本年度の研究において,研究計画実施計画に記載したもののうち,以下の1),2)に示す成果が得られ,さらに新しい試みとして3)の成果を得た.1) 人工喉頭制御用信号を用いたスピーチバルブの制御.2) 筋電位測定精度の向上.3) 発声訓練用マイクロポンプの試作. 1) 測定により得られた胸骨舌骨筋の筋電位信号を全波整流したのち移動平均を取り,実験により見積もられた閾値と比較することで,人工喉頭のオンオフ制御に使用可能な信号を得ることができる.この信号を用いて,発声時にのみ閉鎖し,その他の呼吸時には開放される試作電気制御式スピーチバルブを使用した発声実験を行った。その結果,本スピーチバルブは平常時は良好な呼吸を実現し,発声時においては筋電位信号により閉鎖され,発声が可能となった.従来のスピーチバルブと比較して,平常時における呼吸抵抗のストレスが少ないため,小型化により日常生活へ適用可能であると考えられる.この成果に関して,国内会議において3件の口頭発表を行った. 2) 筋電位計測精度の向上のため,測定箇所の厳密化を目標として小型筋電位測定電極を試作し,これを用いて筋電位計測を行った.この測定電極は従来のものと比較して設置面積が1/7,電極間距離は1/2であるため,測定箇所を細かく調整することが可能である.その結果,検出信号への首の上下運動や回旋運動などの他の動作の影響を減少させることができ,これまで問題であった誤作動を減らすことが可能であると考えられる. 3) カニューレ使用者への発声訓練として,これまでに酸素ボンベを使用した方法が用いられていたが,これを代替する小型のポンプ装置の試作を行った。この試作ポンプは筋電位信号で制御が可能である。1次試作品は流量が少なく十分な性能を発揮できなかったが,流量増大を目指した2次試作を進めている.
|
Research Products
(3 results)