2008 Fiscal Year Annual Research Report
ユニバーサルデザインに配慮した住宅設備機器・福祉用具表面の快適性の解明
Project/Area Number |
20700468
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
杉山 真樹 Forestry and Forest Products Research Institute, 木材改質研究領域, 主任研究員 (30353733)
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Keywords | ユニバーサルデザイン / 福祉用具 / 住宅設備機器 / 高齢者 / 快適性 / 接触感 / 接触動作 / 手すり |
Research Abstract |
ユニバーサルデザインに配慮した居住環境を構築する上で、住宅の設備機器や福祉用具には快適性が必要不可欠となる。本研究では、現状では快適性評価が未だ十分に行われていない機器・用具表面の触覚(接触感)に着眼し、実際の使用状況に即した抽出分析を行い、それを用いて物理量に基づいて指標化を行うことにより、福祉用途に使用する材料選択の科学的根拠を与えるとともに、接触快適性の指標を提案することを目的とする。 本年度は、福祉機器メーカーを対象として、カタログ調査および大規模福祉械器展示会での聞き取り調査、福祉工学分野の学協会での研究動向調査を実施し、住宅の設備機器や福祉用具の研究・開発および利用の実態に関する情報を収集した。また、介護・福祉の現場に対する調査として、千葉県A市において、行政担当者(地域包括支援センター等)、ケアマネージャー、居宅介護サービス事業者に対して面談での聞き取り調査を行った。これらの調査の中で、福祉分野での木材利用の現状とニーズについての聞き取りも行った。調査の結果、介護保険制度に基づく住宅改修で設置される屋内用手すりは水回りを除いてほぼ木製あるいは集成材であること、家庭用レンタル福祉用具のうち最も多く流通している介護用ベッド、車いすに関して、現行では木材は一部の高級志向の製品の部材として採用されているに留まっているが、メーカー側ユーザー側ともに、必要な性能が確保されるのであれば、木材を使いたいというニーズが大きいことなどが明らかになった。また、用具を使用する際のヒトの手の基本操作は「握る」(つかむ)と「触れる」(触る、沿わせる)の2種類に集約できることが明らかになった。両方の基本操作が必要となる福祉用具である「手すり」の使用を想定し、立ち上がりの際につかむ「縦手すり」、床移動の際に沿わせる「横手すり」双方の使用感を測定できる装置を試作した。
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Research Products
(6 results)