2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20700477
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
木藤 友規 Juntendo University, スポーツ健康科学部, 助教 (80453596)
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Keywords | 両手協調運動 / 運動知覚 / 同時性判断 |
Research Abstract |
<研究の目的>本研究は、「運動経験によって運動中の知覚が改められるのか?」を調べる為に、両手運動のタイミング判断に着目し、平成20年度は両手運動時の同時性判断に関する知覚特性について研究を進めた。 <具体的内容>運動時の知覚は、単純な感覚刺激の場合と異なり、遠心性の運動指令に依存した情報も利用し得る。先行研究(Bard et.al., 1992 ; Stenneken et.al., 2002)において、手と足の連続的な同期動作では足が手の動作に先行すると報告されている。これは脳へ帰還する感覚情報の時間が手よりも足で長い事に由来し、手足動作の同時性が求心性情報を基に判断される事を意味する。一方、両手間では脳までの距離がほぼ等しいにも関わらず、右利き被験者は左手感覚刺激を先行させた時に両手が同時に刺激されたと知覚する傾向にある。もし、両手運動の同時性判断にも求心性情報が利用されるならば、左手動作が右手に先行するはずである。本実験結果では、反対に右手の動作を先行させる傾向にあった。この結果は、両手協調と手足協調では知覚特性が異なる事を意味する(木藤他、第16回日本運動生理学会大会、2008年)。さらに、片手を肩、もう一方の手を足上に置いて両手(指)同時タッピングを試みると、各指に関連した付加的な感覚(足と肩が触られた感覚)が両手間の運動同時性判断に影響を与える事を確認した(Kito他、Neuroscience2008、2008年)。つまり両手協調運動では遠心性と求心性という2つの情報源を参照し得るが、利き手という身体特性に関連して遠心性情報が同時性判断に利用され易いのかもしれない。 <研究の意義・重要性>本年度の結果は、両手運動時の知覚特性(脳の処理)に関するものであり、人の動きの仕組みを知る為の知見となる。
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Research Products
(2 results)