2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20700489
|
Research Institution | Tokai Gakuen University |
Principal Investigator |
奥村 基生 Tokai Gakuen University, 人間健康学部, 助手 (90400663)
|
Keywords | 失敗 / 熟練 / 剣道 / 認知技能 / 運動技能 |
Research Abstract |
本研究では, 高速展開スポーツにおいて有効な失敗回避法を検討することを目的とした. そのために, 剣道競技を対象として失敗原因となりうる「動作の停滞」の原因を検証した. この動作の停滞には, 反応開始の遅延(遅れる)と, 動作の遅滞(遅くなる)の2つの問題が含まれる. 失敗回避の動作については, 競技において失点が敗北に直結する最も重大な失敗であるため, 失点の回避動作である防御動作に焦点を当てて検討を進めた. 本年度の実験には, 実験参加者として大学生の男性10選手(上級・中級群)が参加した. 実験課題において実験参加者は実験協力者と対峙して構えた. 実験協力者は実験参加者に対して「打撃」と「防御」を指示する2通りの刺激を呈示した. この刺激呈示は6通りのタイミングがあり計12パターンの刺激呈示法により実験参加者は刺激を予測することが困難であった. さらに, 刺激呈示の順序効果を観察するため刺激は3系列(たとえば, 打撃-打撃-防御, 打撃-防御-打撃)で構成された8通りの順序で呈示された. 実験参加者は可能な限り速く正確に打撃あるいは防御をするように教示された. データ分析では, 反応開始の遅延については反応時間の分析を, 動作の遅滞については運動時間の分析を遂行中である. 結果として熟練差, 刺激呈示タイミング, 刺激呈示順序の効果が観察されることが期待できる. 失敗を回避することはスポーツにおいて重要な学習課題である. しかし, 現在のところスポーツ特有の動作や認知側面の失敗原因や有効な失敗回避法は理解されていない. すなわち, スポーツにおける失敗に関する問題を積極的・直接的に分析する観点自体が本研究の独創的な点と主張できる.
|