2009 Fiscal Year Annual Research Report
小学生児童の疾走および跳躍動作における下肢筋機能の発達的特徴の究明
Project/Area Number |
20700495
|
Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
榎本 靖士 Kyoto University of Education, 教育学部, 准教授 (90379058)
|
Keywords | 小学生 / 運動能力 / 発育発達 / 神経-筋機能 / スティフネス / ジャンプ / バイオメカニクス / 関節トルク |
Research Abstract |
小学1~6年生の児童に運動様式の異なる踏切動作を行わせ,踏切中の下肢のキネマティクス,キネティクスおよびEMGデータを分析し,学年間の比較と被験者内の動作の変動性から踏切動作における下肢の神経-筋機能の発達的特徴を明らかにし,大きなパワー発揮を伴う動作の発達を促す方法を検討した.分析対象者を男子児童4名,女子児童6名とし,ランニングジャンプ(RunJ),垂直跳び(CMJ),5回連続リバウンドジャンプ(5RJ)をそれぞれ5回の成功試技が得られるまで行わせた.RunJにおける踏切時間は学年間に差は見られなかった.学年が大きくなるにつれてRunJにおける膝関節最大屈曲角度の5回平均値は増大し,伸展角変位の5回平均値は,減少する傾向がみられた.スティフネス(角度とトルクの傾き)は,膝関節において1年生が6年生より顕著に小さく,足関節においては1年生であっても6年生と似た傾きを示す試技もみられた.EMGから3年生は大腿直筋において,試技を重ねるにつれて接地前からの筋活動が増大していた.これは,踏切動作でのエキセントリックな筋活動を行うための予備緊張を示していると考えられ,低学年ではそのような筋活動は見られず,中学年では運動経験により急速に運動学習が進んでいると考えられた.これらのことから,踏切動作において低学年は脚の筋力およびパワーは小さいものの,足関節で大きなパワーを発揮できる可能性がみられること,中学年において体重あたりの脚の筋力およびパワーは増大しているものの,神経機能の働きによる調整は不十分であること,高学年では脚の筋力およびパワーが安定して発揮されるようになっており,これは神経機能からみられる運動の習熟が関係していることが示唆された.
|