2008 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠不足による心理的及び運動パフォーマンス低下のメカニズム追究
Project/Area Number |
20700497
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
竹野 欽昭 University of the Ryukyus, 教育学部, 准教授 (20360729)
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Keywords | 睡眠不足 / 心理的パフォーマンス / 運動パフォーマンス |
Research Abstract |
24時間以上の断眠によって心理的パフォーマンスは低下することが明らかにされている。一方、運動パフォーマンスは24時間以上の断眠状態でも、筋力、無酸素性運動能力に低下は認められないという報告がほとんどであるが、有酸素性運動能力は、漸増負荷テスト時の最大酸素摂取量、最大運動負荷が低下することが報告されている。有酸素性運動能力は脱水による体液の減少によって低下することから、本年度は、体液調節の観点から「睡眠不足による心理的及び運動パフォーマンス低下のメカニズム」を検討した。健常成人男性8名を対象とし、実験条件は7時間の十分な睡眠後と24時間断眠後の2条件で、睡眠と断眠の前後に体重測定と採尿による尿浸透圧分析を行い体液調節の変化を検討した。その結果、睡眠条件では発汗による体液の減少が認められたが、断眠条件では体重の変化に差がなく体液の変化が見られなかった。しかしながら、断眠時の飲水量、食事量を差し引いた発汗や尿による脱水量は睡眠時の体液減少量より大きかった。AMSスコアをはじめとする心理的パフォーマンスは断眠条件で明らかに低下が見られた。一方、睡眠条件と断眠条件で握力によって評価した筋力に差はなかった。自転車エルゴメータの漸増負荷運動テストによって評価した有酸素性運動能力は、各負荷の心拍数、血中乳酸値に2条件の差はなかったが、運動時間は睡眠条件で増加した。断眠によって明らかに脱水が亢進するが、水分を多めに摂取するなどの体液維持の対策によって運動パフォーマンスの低下を最小限にできる可能性が示唆されたが、断眠による心理的パフォーマンスの低下及び運動時間の減少と体液調節との関係については今後さらに検討が必要と考えた。
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Research Products
(1 results)