2009 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドローム診断基準項目値と筋骨格系能力との相互関係に関する研究
Project/Area Number |
20700502
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
田中 登志雄 (柳谷 登志雄) Juntendo University, スポーツ健康科学部, 准教授 (90384148)
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Keywords | メタボリックシンドローム / ウエスト / 血圧 / 筋厚 / 皮下脂肪量 / 筋力 / 歩行能力 / 柔軟性 |
Research Abstract |
現在、メタボリックシンドローム(以下、メタボ)の診断基準値として、ウエスト、安静時血圧、空腹時の血中脂肪量および血糖値があげられている。中でもウエストと安静時血圧については、メタボを診断する第一段階の指標であり、自身において非侵襲的に測定が可能な項目である。 ところでメタボを予防・改善する方法として、適度な量および頻度で身体運動をすることが推奨されている。たとえば、ウォーキングなどの低強度で長時間の有酸素運動や、スロトレなどの比較的低強度の筋力トレーニングを実施することにより、メタボの原因とされる内臓脂肪の燃焼や消費を促進することができるわけである。一方、これらの運動は骨格筋の量が減少するのを回避する方法としても推奨され、一般的によく実施されている運動である。 そこで、われわれは、適切な頻度と時間にわたり有酸素運動や筋力とトレーニングを実施していれば、骨格筋量をある程度維持することができ、かつメタボの予防や改善も行われるはずであり、メタボに該当するヒトは、運動不足により骨格筋量も不足しているはずであるという仮説を立てた。 具体的には、まず、メタボ診断基準値であるウエストおよび血圧と、筋骨格系能力の指標である下肢(大腿部および下腿部)の筋量、歩行速度、柔軟性、筋力(膝関節屈曲および伸展,足関節底屈および背屈)との相関関係について、高齢者男女計60名を対象として調査を実施した。次に、20名を対象として、歩行運動を定期的に実施することに、3ヶ月間にわたり介入し、ウエストおよび血圧の変化およびそれに伴う筋骨格系能力の変化について調査した。 その結果、ウエストと血圧はともに、筋骨格系能力との間に有意な相関関係は示さないことが明らかとなった。つまり、メタボなヒトであっても筋骨格系能力が高い者もいれば、低い者もいるということが明らかとなった。さらに、3ヶ月間の歩行運動によりウエストが減少した者が数名見られたが、それらの者の筋骨格系能力にも有意な変化は見られなかった。
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Research Products
(1 results)