2009 Fiscal Year Annual Research Report
光学的手法を用いたペダルこぎ運動中の非接触呼吸計測に関する検討
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20700504
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
青木 広宙 Nagoya Institute of Technology, 大学院・工学研究科, 特任研究員 (60380193)
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Keywords | 生体計測 / 画像計測 / 非接触計測 / 呼吸計測 / 有酸素能計測 / 運動生理学 / パターン光投影 / リハビリテーション |
Research Abstract |
本研究課題は、これまで研究代表者が研究してきたドットマトリックスパターン光投影による非接触呼吸計測方法を応用し、簡便に実施可能な自転車こぎ運動中の呼吸計測方法を確立することを目的とした。胸腹部運動をより詳細に計測するためにマルチスリットパターン光を投影しての呼吸計測、運動中の胸腹部形状の三次元形状の算出と呼吸運動の可視化を、具体的な課題として、研究に取り組んできた。また、実測システムを構築し、構築したシステムを用いて学生等を対象とした実測を行い、呼気ガス分析装置との比較実験を行うことで、提案手法による非接触呼吸計測の有効性・妥当性について検証した。 平成21年度においては、昨年度に引き続き計測システムの構築を行った。具体的には、光学系の最適化(パターン照射部における照射パターンのマルチスリット化、光学素子を最適設計)、ハードウェア(PC、自転車エルゴメータ)の開発、計測用プログラムの開発(画像処理プログラムに改良改善、呼気ガス分析装置との同時計測に向けた計測用プログラムの開発)を完了した。 マルチスリットパターン光投影による非接触呼吸計測を実施し、自転車こぎ運動中の被験者の呼吸を計測した。リカベント型自転車エルゴメータによる計測においては、運動テスト全時間帯において呼気ガス分析装置の測定値と高い相関性を有する測定が実現されたが、アップライト型自転車エルゴメータにおいては、運動テスト後半の運動強度が高い時間帯において相関性が大きく低減する現象が見られた。具体的には、130W程度以上の運動負荷においては測定精度の低下が確認され、嫌気性代謝能の算定は難しいものと考えられた。しかし、波形に対して移動平均処理を施すことで、呼気ガス分析装置の測定結果との相関性が向上することが確認された。すなわち、提案手法の測定精度が向上し、嫌気性代謝能の算定の実現が可能となるものと考えられた。
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Research Products
(7 results)