2010 Fiscal Year Annual Research Report
質的な筋力の向上に着目した肩周囲筋のトレーニング方法に関する研究
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20700514
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
八十島 崇 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (00435091)
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Keywords | 肩周囲筋 / 筋電図 / 肩外旋運動 / 運動肢位 / トレーニング / 質的筋力 / EMG onset / RFD (Rate of Force Development) |
Research Abstract |
本研究は,筋活動レベルや筋出力(トルク)の大小に加えて,肩関節運動時の(1)運動開始局面の筋活動様相(EMG onset)及び(2)筋出力中の筋力発揮率(Rate of Force Development ; RFD)とその時の筋活動パターンに焦点を当て,これら(1)及び(2)の評価指標から肩周囲筋に対する各種トレーニング方法の有効性を明らかにすることを目的としている。本年度は,20セッションの肩外旋筋群に対するエクササイズを複数のトレーニング器具(ダンベル及びヘビーメディシンボール)を使用して行い,トレーニングによる(1)及び(2)の各指標の変化を検証した。被験者は,左右の肩関節に既往歴を有さない健常成人男性を対象とした。評価指標を得るための運動課題は,等尺性収縮による肩外旋運動とし,20゜及び90゜外転位の各運動肢位で実施した。計測には,多用途筋機能運動評価装置(BIODEX)及び筋電計(MyoSystem 1200)を使用し,肩外旋トルク値及び肩外旋運動に関連する棘下筋,三角筋中部・後部線維,僧帽筋上部・中部・下部線維,前鋸筋及び上腕二頭筋から表面筋電図を記録した。また,各評価指標の計測はトレーニング開始前,トレーニングを10回終了した時点(トレーニング中),トレーニング終了後に行った。肩外旋筋トレーニング実施の結果,特に筋力発揮率(RFD)の変化に関しては,トレーニング実施方法によって,顕著な相違を示した。そのため,肩外旋筋トレーニングにおいても,効果を判定する際には,最大トルクだけでなくRFDも考慮して評価をする必要があると推察された。
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