2009 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋のSIRT1発現に対するAMPキナーゼと一酸化窒素合成酵素の影響
Project/Area Number |
20700524
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
諏訪 雅貴 Tohoku Institute of Technology, ライフデザイン学部, 講師 (50464392)
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Keywords | 一酸化窒素合成酵素 / SIRT1 / 骨格筋 / ミトコンドリア生合成 |
Research Abstract |
一酸化窒素(NO)は、細胞内でシグナル伝達因子として働き、ミトコンドリア生合成などの代謝特性の制御に関与することが知られている。運動により、骨格筋の一酸化窒素合成酵素(NOS)が活性化されNOS濃度が増加することから、運動による骨格筋の適応にNOやNOSが関与している可能性がある。本年度は、NOSの骨格筋における働きを推定するため、8週齢Wistar系雄性ラットにNOS阻害剤N^G-nitro-L-arginine-methyl ester(L-NAME)を8週間飲水投与(1mg/ml)し(n=10)、摂食量を統制した対照群(n=10)と比較した。被検筋はヒラメ筋と足底筋とした。L-NAME投与により、ヒラメ筋において筋線維組成の速筋線維方向への変化(Type I線維の割合の減少とType II線維の割合の増加)が観察された。また、L-NAME投与により、足底筋のミトコンドリアマーカー(チトクロムC蛋白質発現、リンゴ酸脱水素酵素活性、βヒドロキシアシルCoA脱水素酵素活性)の減少、およびヒラメ筋と足底筋の糖輸送担体4(GLUT4)蛋白質量の減少が生じた。さらに、ヒラメ筋と足底筋の両方において、骨格筋特性の制御に関与する脱アセチル化酵素SIRT1蛋白質量が減少した。一方、SIRT1からの脱アセチルかにより活性化され、骨格筋の収縮特性や代謝特性を制御していると考えられているperoxisome proliferator-activated receptor gamma coactivator-lalphaの蛋白質量に変化は認められなかった。これらの結果から、1)NOSはtype I型の収縮特性を制御している、2)NOSは骨格筋の代謝特性を制御している、3)NOSによる骨格筋の収縮特性・代謝特性の制御にSIRT1が関与している、の可能性があることが示唆された。
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Research Products
(2 results)