2008 Fiscal Year Annual Research Report
加齢に伴う骨格筋エネルギー代謝の低下における蛋白質翻訳後酸化修飾の関与
Project/Area Number |
20700525
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
青井 渉 Kyoto Prefectural University, 生命環境科学研究科, 助教 (60405272)
|
Keywords | 骨格筋 / エネルギー代謝 / 加齢 / 酸化ストレス / プロテオミクス / 蛋白質翻訳後修飾 |
Research Abstract |
自由摂食下で20ヶ月齢にまで加齢したマウス(c57BL/6系統)は、3ヶ月齢マウスと比較して体脂肪の蓄積および耐糖能の低下とともに骨格筋酸化障害が認められることがわかっている。本研究では、加齢性代謝不全モデルとして20ヶ月齢のc57BL/6マウスを用い、代謝に関連する蛋白質の翻訳後酸化修飾について着目し、加齢によるエネルギー代謝能の低下との関わりについて検討を進めた。 加齢マウスにおいて、安静時エネルギー消費量(呼気ガス分析による評価)の低下とともに骨格筋糖代謝(摘出した筋組織のグルコース取り込み能を評価)が低下していることを確認した。骨格筋から蛋白質を抽出し、電気泳動によって蛋白分離したあと、4-hydroxynonenal、3-nitrotyrosineおよびargpyrimidineに対する特異的抗体を用いて翻訳後酸化修飾のプロファイリングを行った。その結果、若齢マウスと比較して加齢マウスでは、3-nitrotyrosineおよびargpyrimidineによって顕著に修飾を受けているいくつかのスポットがみられた。そのため、2次元電気泳動により分子量および等電点分離を行い、修飾蛋白スポットを網羅的に抽出した。 今後、抽出された修飾蛋白質をゲルから精製したあと、質量分析(MS/MS)によってアミノ酸配列を決定し、蛋白質の同定を行う。同定した蛋白質の中からエネルギー代謝に関連するものを探索し、代謝能低下と蛋白質翻訳後酸化修飾の関係について考察する。
|