2009 Fiscal Year Annual Research Report
加齢に伴う骨格筋エネルギー代謝の低下における蛋白質翻訳後酸化修飾の関与
Project/Area Number |
20700525
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
青井 渉 Kyoto Prefectural University, 生命環境科学研究科, 助教 (60405272)
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Keywords | 骨格筋 / エネルギー代謝 / 加齢 / 酸化ストレス / プロテオミクス / 蛋白質翻訳後修飾 |
Research Abstract |
自由摂食下で20ヶ月齢にまで加齢したマウス(c57BL/6系統)は、3ヶ月齢マウスと比較して体脂肪の蓄積および耐糖能の低下とともに骨格筋酸化障害が認められる。本研究では、加齢性代謝不全モデルとして20ヶ月齢のc57BL/6マウスを用い、代謝に関連する蛋白質の翻訳後酸化修飾について着目し、加齢によるエネルギー代謝能の低下との関わりについて検討を進めた。 いくつかの酸化修飾蛋白質に対する特異的抗体を用いてプロファイリングを行ったところ、若齢マウスと比較して加齢マウスでは、顕著に3-nitrotyrosine修飾を受けている蛋白質がみられた。修飾蛋白質をゲルから抽出したあと、質量分析(MS/MS)によってアミノ酸配列を決定し、蛋白質の同定を試みた。その結果、3-nitrotyrosine修飾を受ける蛋白質として、細胞内のAMP量を調節する酵素Adenylate kinase 1 (AK1)の同定に成功した。筋細胞内のAMP量はAMP依存性プロテインキナーゼ(AMPK)の活性を調節し、細胞膜における糖取り込み能に寄与する。実際に、AMPKのリン酸化レベルを測定したところ、若齢マウスと比較して加齢マウスでは抑制がみられた。これらより、AK1のニトロ化修飾がAMPK活性の低下を介した糖代謝の減弱に関与している可能性が考えられる。
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