2009 Fiscal Year Annual Research Report
非活動筋における代謝亢進を誘発する食事と運動の相乗効果
Project/Area Number |
20700529
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Research Institution | Tokai Gakuen University |
Principal Investigator |
笹原 千穂子 Meisei University, 人文学部, 助教 (20459944)
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Keywords | 運動生理学 / エネルギー代謝 / 食事誘発性熱産生 / 骨格筋酸素消費量 / 非活動筋代謝 |
Research Abstract |
食事誘発性熱産生(Diet Induced Thermogenesis: DIT)は,食後に代謝が亢進し体温が上昇することであり,余分なエネルギーを消費する働きがある.骨格筋のDITがより高まるような食事摂取と運動のタイミングや,トレーニングの効果を明らかにすることは,メタボリックシンドロームの予防や改善のためのより効果的な運動プログラムの作成に貢献できるものと確信する.本研究では食後に運動を行うと,食事と運動を単独に行った場合に比べて骨格筋での酸素消費量がことなるか否かについて明らかにすることを目的とした. 健康成人女性6名を対象とし,近赤外分光法にて前腕屈筋の酸素化ヘモグロビンを測定し,一時的動脈阻血法により筋酸素消費量(VO2mus)を求めた.安静時代謝測定後,食事(体重1kg当たり10kcal)を摂取し,食事開始後30,45,55分のVO2musを測定した.食事開始60分後から静的膝伸展運動を行い運動後のVO2musの変化(食事開始から105,120,135,150,165,180分後)を測定した.運動のみを行う試行をコントロールとした.その結果VO2musはコントロールと比較して食事摂取の試行で30,45,60分後に高い値を示し,運動後も105,120,150分後で高かった.安静時に対しては食事摂取の試行でのみ60分後と135分後に有意な上昇がみられた.運動のみでは非活動筋代謝は増加しないが,食後に運動を行うと筋代謝の上昇が維持された.食事と運動の組合せが筋代謝上昇効果を維持する可能性が示唆された.これまでに運動時や運動後の非活動筋代謝を測定した研究はあるが、食事接種の影響と合わせて検討した研究は報告されていない.食事も運動もどちらも非活動筋の代謝や血流配分等に影響を与えることから,その適切なタイミングを考える上で本研究の結果は重要な資料となると考えられる.
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