2010 Fiscal Year Annual Research Report
慢性疾患の診察における患者教育に関するコミュニケーションの分析と評価方法の検討
Project/Area Number |
20700539
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
石川 ひろの 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40384846)
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Keywords | 医療コミュニケーション / 医療面接教育 / インフォームドコンセント / 情報提供 / 患者教育 / 患者中心の医療 / ヘルスリテラシー / 患者-医師関係 |
Research Abstract |
本研究は、診察における患者教育のためのコミュニケーション・スキルに焦点を当て、慢性疾患の再診外来診察におけるコミュニケーションの分析を含む実証研究を行い、医学教育におけるコミュニケーション教育の改善に向けた提言のための基礎的データを得ることを目的としている。本年度は、前年度に引き続き、コミュニケーション分析のベースとして用いているRoter Interaction Analysis System (RIAS)のコーダー養成ワークショップの開催を通じて、関連研究者との議論を行うとともに、前年度までのレビューや分析から明らかになった患者のヘルスリテラシー(健康医療に関する情報を収集・理解・活用する能力)による違いに焦点を当て、慢性疾患を持つ患者の診療場面の会話のデータの分析を行った。ここから、患者のヘルスリテラシーによって、診察でのコミュニケーションへの参加のが疾病管理に関する自己効力感や疾病管理の良さなどの患者アウトカムに与える影響に違いがあることが明らかになった。今後は、患者のヘルスリテラシーを把握し、それに応じた患者教育、情報提供を行うとともに、ヘルスリテラシーの向上を目指した働きかけを行っていくことが重要であることが示唆された。一方、ヘルスリテラシーという概念の広まりに伴い、実証研究が増えてきたことを受け、これらの文献のレビューを行い、診察での患者-医師間コミュニケーションにとどまらないより広いレベルでのヘルスコミュニケーションの文脈において、今後どのような研究が必要とされるのか考察した。
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Research Products
(4 results)