2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20700542
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Research Institution | Asai Gakuen University |
Principal Investigator |
小田 史郎 Asai Gakuen University, 生涯スポーツ学部, 准教授 (70347813)
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Keywords | 睡眠 / 運動 / 不眠 / 自律神経系 / 体温 |
Research Abstract |
普段の睡眠が良好な人では運動実施による睡眠改善効果が現れにくいが知られている。本研究では、睡眠質問紙とアクチグラフにより不眠傾向にある人を抽出し、厳密な介入実験から睡眠を改善するための運動方法を探究することとした。平成20年度には、睡眠に悩みを抱える24名の男子大学生(うちピッツバーグ質問紙で5点以上の学生が11名)を対象に1週間のアクチグラフ記録を行い、活動量及び睡眠データを分析した。その結果、睡眠・覚醒リズムが乱れてる学生が多く認められ、入眠困難と中途覚醒の両者を反映する睡眠効率の値が90%未満であった被験者は7名であった。 これらのデータから運動実施の有無が睡眠に及ぼす影響を検討したところ、被験者全体では運動実施日の睡眠時間が非運動日に比べて有意に長い結果が認められた。しかしながら入眠に要した時間や中途覚醒時間、睡眠効率には有意差が認められなかった。そこで非運動日の睡眠が90%未満の学生7名のみで同様の分析を行ったところ。運動日に有意な睡眠を効率の改善が認められた(84%→90%)。このことから、連動が不眠傾向のある若年者の睡眠を改善する可能性が示唆されたが、食事や睡眠時刻が統制されていないという問題が残された。また例数が少なさから運動強度や運動実施タイミングの違いによる影響の違いについては検討することができなかった。 そこで上記実験で抽出した被験者1名を対象に、就床1, 3, 5時間前に中等度強度の運動を40分間実施したときの睡眠に及ばす影響の違いを検討した。睡眠ポリグラフの結果においては、いずれの運動日にも徐波睡眠が苦干増加する傾向が見られたが、中途覚醒時も同様に増加する傾向にあった。タイミングの遅いは睡眠感のみに認められ、就床1時間前運動が最も良かった体温変動や自律神経系も含めたこれらのデータは、よりよい運動方法について考察する際の基礎データとして用いる。
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