2008 Fiscal Year Annual Research Report
若年期における高血圧発症予測因子の解析と予防介入指標の開発
Project/Area Number |
20700554
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
田口 理恵 Yokohama City University, 医学部, 准教授 (90301126)
|
Keywords | 高血圧 / 家族歴 / 交感神経活性 / 若年者 / 予防 / 24時間血圧 |
Research Abstract |
高血圧をはじめとする生活習慣病予防対策において、若年期からの効果的な介入方法の確立は極めて重要である。現在保健活動の現場でしばしばハイリスク者抽出の指標として用いられる若年期の血圧高値が将来の高血圧発症と十分相関しないことはこれまで多くの研究から明らかであり、予後予測能の高い新たな指標の確立は急務である。 これまで我々は、高血圧の家族歴が、若年期における高血圧発症に関連する血行動態の初期変化と強く関連することを明らかにしてきた。この血管障害性の変化を惹起する機序として交感神経活性亢進の関与が考えられることから、高血圧家族歴と血行動態の変化、並びに交換神経活性の関連性について解析し、若年者への介入指標について検討することを目的としている。 本年度は21〜25歳のA大学男女学生35名に対して、24時間の自由行動下血圧測定(ABPM)並びに、ホルター心電図測定、24時間畜尿を実施し、家族歴調査による高血圧遺伝素因と24時間血圧、並びに交感神経活性の関係について検討した。 その結果、収縮期血圧並びに拡張期血圧は高血圧遺伝素因が強くなるに伴い高値を示す傾向が認められた。また、心拍も高血圧遺伝素因が強くなるに伴い高値を示す傾向にあった。一方、クレアチニン補正した尿中カテコールアミンと高血圧遺伝素因の間には、明らかな関連性が認められなかった。 本結果は、高血圧遺伝素因の強い若年者における血行動態変化の機序として、交感神経活性亢進の関与を示唆するものであり、今後詳細な検討が必要と考えられた。
|
Research Products
(1 results)