2008 Fiscal Year Annual Research Report
2型糖尿病の進展および合併症における血漿プロテオーム解析
Project/Area Number |
20700557
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
加藤 元士 Yamaguchi Prefectural University, 看護栄養学部, 助教 (60336930)
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Keywords | 糖尿病 / 血漿 / プロテオーム |
Research Abstract |
本研究は、生活習慣と大きな関わりを示す2型糖尿病の発症、進展およびその合併症(糖尿病性腎症)の病態を解明するため、2型糖尿病モデルであるKK-Ayマウスの血漿を用い、週齢を追うごとに症状が悪化する病態のステージ別にプロテオーム解析を行うことにより、糖尿病およびその合併症に特異的なタンパク質を同定することを目的とした。 まず、KK-Ayマウス血糖値の日内変動に伴う血漿タンパク質への影響の有無および最適な採血時間について検討を行うため、6時、9時、12時、15時、玉8時および24時に採血を行い、血漿を分離した。そして、各時間の血糖値、体重および摂食量の測定を行った。その結果、血糖値については夜間に高値となり摂食量との相関関係が認められた。このことから、同条件で検討を行うためには採血時間を一定にする必要があると考えられた。また、血漿タンパク質の変動を、二次元電気泳動法を用いて検討した。現在、各スポットのマッチングを行い、血糖値5の日内変動に伴い量および質的に変動するタンパク質スポットついて検討を行っている。 次に、4週から20週齢のKK-Ayマウスを用いて定期的に採血を行い、血漿を分離した。そして、各週齢の体重、摂食量、摂水量、血糖値、HbA1c値、尿中アルブミン値、尿中クレアチニン値、A/C比を測定した。その結果、KK-Ayマウスにおいては週齢の増加に伴い、体重、摂食量、摂水量、血糖値、HbA1c値、尿中アルブミン値およびA/C比が増加し、尿中クレアチニン値の減少を認めた。さらに、週齢を追うごとに悪化する血糖値等を指標として、量および質的に変動する血漿タンパク質を解析した結果、病態の進展に伴い特異的に変動するいくつかの血漿タンパク質を発見した。現在、これらについて質量分析計を用いて同定を行っている。そして、これらのタンパク質が同定されれば、糖尿病およびその合併症の予防、早期診断および早期治療に寄与するものと考えられる。
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