2008 Fiscal Year Annual Research Report
変性性認知症疾患早期発見のためのコンピュータ支援診断システムの開発
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20700558
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
児玉 直樹 Takasaki University of Health and Welfare, 健康福祉学部, 講師 (50383146)
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Keywords | 認知症 / コンピュータ支援診断 / 医用画像処理 / MRI / 軽度認知障害 |
Research Abstract |
本研究の目的はMRIにより撮像された画像から脳萎縮の程度や脳形状の特徴などを算出することで客観的かつ定量的な情報を医師に提供し、変性性認知症疾患に対する適切な診断を促すことを支援するシステムを開発することである。本目的を達成するため、平成20年度の研究実績の概要は次の通りである。(1)変性性認知症疾患画像データベースの構築を行なった。同意の得られた患者のMRI画像データを匿名化し、疾患ごとに画像データベースを構築した。(2)脳形状の数値化アルゴリズムの開発を行なった。濃度ヒストグラムから得られる特徴量と同時生起行列より得られる特徴量を用いて脳形状の数値化アルゴリズムを作成した。ランレングス行列では5種類、同時生起行列では14種類の特徴量を算出し数値化を行なった。また、ランレングス行列および同時生起行列の角度を変化させ、それぞれの角度ごとに数値化を行なった。なお、これらのアルゴリズムをワークステーションに実装し、医師の診断支援に用いるべく開発を行なっている。(3)変性性認知症疾患支援診断システムの構築を行なった。軽度認知障害者と健常高齢者について検討したところ、軽度認知障害の診断感度は91.2%、診断特異度は87.1%であった。診断感度および特異度向上のためにアルゴリズムの見直しを行い、臨床で診断支援システムが利用可能かどうか医学的観点からの評価を行なっている。これら研究実績を基に、次年度継続研究としてさらに改善をする予定である。
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