2011 Fiscal Year Annual Research Report
肥満小児におけるメタボリックシンドローム発生要因の遺伝子学的解明
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20700562
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Research Institution | Shizuoka Sangyo University |
Principal Investigator |
小栗 和雄 静岡産業大学, 経営学部, 准教授 (10387516)
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Keywords | 肥満 / 小児 / メタボリックシンドローム / β_3アドレナリン受容体遺伝子 / 内臓脂肪 / 糖脂質代謝異常 / 高血圧 / 動脈硬化 |
Research Abstract |
本研究では、β_3アドレナリン受容体(AR)遺伝子変異を保有する小児と保有しない小児との間で、メタボリックシンドローム(MS)の因子である内臓脂肪型肥満、脂質代謝、糖質代謝、血圧性状を比較し、小児におけるMSの発生に、β_3AR遺伝子変異の保有が関与するか否かを明らかにすることを目的とした。本年度は7~10歳の男女小児9名(平均年齢9.1±1.2歳)を対象に、β_3AR遺伝子、肥満度、空気置換法による体脂肪率、MRIによる内臓脂肪面積、血圧、血清脂質、動脈硬化指数、血糖値、インスリンなどを解析・検査した。平成17~22年度に測定を行った103名を加えて分析すると、β_3AR遺伝子の変異型を保有する肥満小児群は22名、正常型を保有する肥満小児群は46名、変異型を保有する非肥満小児群は8名、正常型を保有する非肥満小児群は36名であった。β_3AR遺伝子の正常型を保有する肥満小児群でMSと判定された者が4.3%(2名)であったのに対し、変異型を保有する肥満小児群でMSと判定された者は27.3%(6名)と有意に高い割合が認められた。また、肥満小児群について変異型と正常型の間で検査項目を比較すると、変異型をもつ肥満小児は、内臓脂肪面積、総コレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪、収縮期および拡張期血圧が有意に高い値を示した。これらはMSの因子であることから、β_3AR遺伝子の変異型は小児におけるMSの発生に関与している可能性が強いと考えられた。さらに、β_3AR遺伝子の変異型の有無によって肥満小児群の体脂肪率や肥満度に有意差がなく、非肥満児群では全ての検査項目に有意差がなかった。この結果は、β_3AR遺伝子変異が体脂肪が過剰に蓄積した際に体脂肪分布に影響して内臓脂肪の蓄積を助長し、間接的にMSを引き起こす可能性を示唆している。
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