2010 Fiscal Year Annual Research Report
運動負荷と薬物投与の併用治療が廃用性骨減少症における骨微細構造に及ぼす影響
Project/Area Number |
20700564
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
朱 容仁 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (00389016)
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Keywords | 薬物効果 / ジャンプ運動 / ランニング運動 / 骨微細構造 / 3次元 / マイクルCT |
Research Abstract |
尾部懸垂中のアレンドロネート(ALN)あるいは副甲状腺ホルモン(PTH)とジャンプ運動の併用による骨微細構造および皮質骨のジオメトリーに対する相乗効果の有無について検討した。 生後8週齢のWistar系雄性ラット60匹を安静群(C)、ジャンプ運動群(J)、PTH投与群(P)、ALN投与群(A)、J+P群(J+P)およびJ+A群(J+A)の6群に分けた。3週間の尾部懸垂中にPTH投与群には、humanPTH(1-34)を間欠投与(60μg/kg/day)、ALN群にはALNを投与(20μg/kg/day)し、ジャンプ群には懸垂を中断させ1日10回のジャンプ運動(高さ40cm)を行わせた。薬物投与および運動負荷の終了までの時間は3分以内であった。実験終了後、大腿骨の骨密度をDXA装置により測定した。次いで、大腿骨遠位骨幹端海綿骨領域の骨梁微細構造および骨幹中央部の幾何学的特性をマイクロCTにより解析した。また、3点支持破断試験を行って骨強度を測定した。 ジャンプ運動とPTHの併用は、大腿骨全体の骨密度、骨幹端海綿骨の骨量、骨梁の厚さ、骨幹中央部の皮質骨の厚さおよび骨強度の増加に対して相乗効果を示した。一方、ALNでは、大腿骨全体の骨密度以外は運動との併用によって骨に対する効果が相殺される傾向がみられた。以上の結果より、骨粗鬆症治療薬と運動負荷の間の相乗効果には、骨吸収抑制剤と骨形成促進剤とで差がみられ、それぞれの薬剤の作用機序の相違を反映した結果と考えられた。
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