2010 Fiscal Year Annual Research Report
代謝性疾患の予防・改善に有効な非運動性身体活動(NEAT)条件に関する検討
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20700565
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
熊原 秀晃 中村学園大学, 栄養科学部, 講師 (40389367)
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Keywords | 生理学 / 身体活動 / 運動条件 / 運動処方 / 肥満 |
Research Abstract |
昨年度までの横断調査にて得られた結果に基づき、中等度身体活動の一回あたりの持続時間の観点から、身体活動介入における脂質代謝マーカーに対する効果を検討することを目的とし、成人21名の測定を完了した。その中から日本肥満学会の基準で内臓肥満と判定された男性10名、女性7名(60±11歳;体格指数:28.0±5.6kg/m2;腹囲:男性93.5±5.7cm、女性102.2±15.7cm)を抽出し分析の対象とした。対象者は、12週間の介入期間中、日常生活の中で、事前の運動負荷試験にて決定された血中乳酸閾値強度での身体活動を積算し、一方、食習慣は変容させないよう指導された。その際の運動一回当たりの持続時間は個々人のライフスタイルに応じたものとし特に定めなかった。介入前後の形態・体力測定および採血(HDLコレステロール、LDLコレステロール、トリグリセリド)は、早朝空腹時に実施した。介入前と終盤のそれぞれ一週間の身体活動を加速度計内蔵歩数計にて評価した。介入により中等度活動時間が延長し(19.9±9.0vs33.6±24.4分、p<0.05)、腹囲の有意な減少(-4.1±3.3cm、p<0.01)や有酸素性作業能の向上(p<0.01)が認められた。また、介入前に脂質代謝マーカーのいずれかが異常値であった10名中8名の介入後の検査値が改善方向へ変化していた。さらに、この8名に関して、3分以上または5分以上持続する中等度活動時間が介入により有意に増加していた(p<0.05)が、一方で10分以上持続する活動時間に有意な変化は認められなかった。つまり、従来推奨されているよりも比較的短時間かつ断続的な中等度以上の活動を積算することが生活習慣病リスクの改善に有効となる可能性が示唆された。ただし、本研究は、対象者数や特性、測定方法に研究の限界点が考えられたので、今後さらに検討する必要がある。
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Research Products
(2 results)