2010 Fiscal Year Annual Research Report
環境配慮型ライフスタイルの世代間・文化間での伝播:日米独の比較
Project/Area Number |
20700569
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
安藤 香織 奈良女子大学, 生活環境学部, 准教授 (40324959)
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Keywords | ライフスタイル / 子どもの環境配慮行動 / 規範の伝播 / 国際研究者交流 / ドイツ:アメリカ |
Research Abstract |
今年度前半においては、アメリカ・カリフォルニア州立大学の研究者Wesley Schultzらと再び共同研究を行い、環境問題の認知に関する国際比較の調査を行った。調査では、地域の環境問題と地球規模の環境問題それぞれについての深刻度認知や、自己と自然との関係の認知を尋ね、文化によってどのような違いが見られるか、地球規模の環境問題の方が地域の環境問題より深刻に捉えられるというバイアスが見られるか検討した。日本、アメリカ、ドイツ以外に南米諸国においても質問紙調査を実施した。 Wesley Schultzらと、記述的規範の影響の文化による違いを検討するために日本、アメリカ、ドイツ、メキシコでインターネットを用いた調査をこれまでに行ったが、今年度はその結果を詳細に分析すると共にメールで協議を行い、共同で論文を執筆・投稿した。記述的規範の影響は、どの国においても見られたが、性別によってその影響が異なることが明らかになった。 名古屋市の小学校において3年間に渡って実施した小学生とその保護者を対象とした環境配慮の規範と行動スタイルの伝播の調査について、親子のデータをマッチさせた詳しい分析を行い、その結果を社会心理学会において発表した。特に、社会規範に着目し、子どもの方が大人よりも、親や社会からの規範の影響を受けやすいことを明らかにした。子どもは、親や社会全体の価値観に対して感受性が強く、それが自分自身の価値観となっていくと考えられる。 イギリス・グリニッジ大学において子どもの環境配慮行動の研究を行っている研究者らと情報交換を行い、今後の研究としてどのような方向性が有意義であるか、また今後の共同研究の可能性について協議した。
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Research Products
(7 results)