2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20700573
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Research Institution | Minatogawa College |
Principal Investigator |
中川 愛 Minatogawa College, 幼児教育保育学科, 准教授 (30446223)
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Keywords | 音声 / 行動 / 発達 |
Research Abstract |
乳児対面時に,声が高くなったり,抑揚をつけたり,ゆっくり話すといった特徴(Infant-directed speech (IDS))は,これまで,育児をしている養育者に出現することが報告されていた。中川・松村(2006)の研究では,乳児との接触経験がない大学生でも乳児対面時において,声が高くなったり,ゆっくり話すというIDSの特徴が出現することが明らかとなっている。しかしなぜ,子育てや育児経験のない人にもIDSが出現するのかはわかっていない。これについては,人間の能力としての養育行動が生得的に備わっているという可能性と,今までに養育者が乳児と関わっている場面を視聴した経験があり,これをモデルとして模倣しているという可能性が考えられる。しかし,このことはまだ解明されていない問題である。そこで,本研究では,小学生・中学生・高校生を対象に検討を行い,IDSの発現時期を発達的視点から明らかにすることを目的とした。 平成21年度は,高校生の乳児対面時における行動を,音声,あやし行動,あやし言葉の3点から検討を行った。女子高校生の結果について次に示す。 1. 音声: 対乳児音声で音声基本周波数,音声持続時間が有意に上昇した。即ち,好高校生においてもIDSが出現することがわかった。 2. あやし行動 あやし行動パターンの出現では,乳児の体を軽くたたくなどの「接触的あやし行動」か一番多く,次に,乳児の体を揺らすなどの「身体運動的あやし行動」がみられた。 3. あやし言葉 乳児の名前を呼ぶなどの注意喚起以外ほとんどみられないことがわかった。
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Research Products
(2 results)