2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20700582
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
平島 円 Mie University, 教育学部, 准教授 (80390003)
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Keywords | 澱粉 / 糊化 / 老化 / テクスチャー / 有機酸 |
Research Abstract |
【研究の目的】澱粉の糊化・老化および調味料の添加による食味の変化の関係については, 実際に調理手順を組み立てる上で極めて重要である. 本研究では澱粉のテクスチャーを大きく変化させる要因である澱粉の老化と調味料の有機酸に着目し, 機器分析の結果から澱粉食品の糊化・老化特性と食感を任意に制御する方法を見出すことを目的とする. 【実施方法】澱粉にはコーンスターチ, ジャガイモ澱粉およびタピオカ澱粉を用いた. コーンスターチの濃度はゲルを形成する15〜20wt%とした. ジャガイモ澱粉とタピオカ澱粉は可能な限り広い濃度範囲に設定した. 澱粉の糊化挙動を調べるためDSC測定を行った. また, 澱粉の老化挙動を調べるために破断測定, 離水測定および透過度測定を行った. 【結果】老化の評価方法を検討するため, 澱粉試料を最大90日まで保存したところ, DSC測定では保存期間が長くなるにつれて再糊化に伴う吸熱エンタルピーの大きさは大きくなった. しかし, コーンスターチゲルのゲル強度を調べると, ゲル強度は保存30日後までは増加し, その後, 保存40日後まではほぼ一定の値をとった. 保存60日を超えるとゲル強度は低下した. ゲル強度の低下は腐敗が原因であると考えられたので, 老化過程の検討は45日間の保存で行うのがよいと考えられた. また, ジャガイモ澱粉糊液の離水率は濃度の低いものは保存10日を過ぎるとほぼ一定となり, 短期間で老化の評価ができることがわかった. しかし, 濃度の高い試料では保存45日後でも離水率は高くなり続けた. 透過度の変化も離水率の変化と同様であった. したがって, 澱粉の濃度により, 老化を評価するための保存期間を変化させる必要があるが, テクスチャーの変化を検討するためには45日程度の保存により老化を評価することができるとわかった. また, 有機酸を添加することにより澱粉の老化の進行具合にほとんど影響はなかった.
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Research Products
(7 results)